ここ数年、AI(Artificial Intelligence )の デザインクリエーションへの貢献が話題になっています。 デザイナービジネス展開に、そのデザイン性の高揚にAIは貢献できるのでしょうか?

経験が故の ‘‘知見‘‘、これを基盤にした ‘‘ひらめき‘‘、これらによって磨かれる創造力、これがデザイナーには求められてきました。 この能力をさらに高めるために、AI が何を貢献出来るのでしょうか。そして進化し続けるデザイン思考というデザイン開発プロセスと、どのようにAIが関わり今よりよりスピーディーに人の生活が向上して行くのでしょう。

AI分野の発展は、‘デザイン‘ の分野まで既に波及してきています。 ある研究者グループが開発したアルゴリズムによる絵画は、人が描いたものか、そうでないかの区別が出来ないといいます。音楽にしても、然りでしょう。これまでの事例のなかには、グラフィックデザイン、ロゴデザインの分野では結構なレベルで試みられています。商品パッケージのグラフィックデザインの分野では、それら候補のリサーチ、絞り込みを含めてAI機能の活用が広がっているようです。さらには、動画制作への応用です。画像とテキストデータをAIに認識させると、画像ごとにリンクされるテキストデータが画面周辺にレイアウトされ、結果テキスト入りの動画を制作してしまうというものです。さらには、家具のデザインの分野、例えば、歴史を誇るイタリアのブランド、カルテル(Kartell)が、人工知能によってデザインされた「AI椅子」を制作。 カルテル社の著名デザイナー フィリップ・スタルク(Philippe Starck)とAutodesk社とのコラボレーションにより制作されました。

上述のように、いろいろな分野で、AIを活用したデザイン展開が報告されています。

ところで、このようなことはどうでしょう。 クッキング機器分野でのAIを活用したデザインの進め方です。 例えば、クッキング機器が多く使われている今流行りのカップルでお料理を習う教室がありますが、もしそのような現場に複数のカメラを設置ができれば、多くの機器の使用状況を継続的に観察し、これらのデータをクラウドに蓄積しつつ、分析を繰り返します(トラッキング)。どのように使われ、どのような動作が良くて、どのようなことが効率よいのか。これらのビックデータの蓄積・分析をクラウドに。 こうしたライブラリー情報・AI情報を機器のデザインに活用している企業は?  家電系の企業ではとうの昔からそうした分析を当然如く行っていますが、しかしAIにより創造以上の情報量、分析精度が得られることになるとまたここで新たな家電機器が生まれていくのでしょう。そしてAIを使いこなすシステム構築後はいっきに飛躍することが想定できます。

AIは、問題を限定すればするほど実現しやすい性質があるようで、一般的には、現在のAIが抱えている「フレーム問題」と呼ばれる特性に起因するようです。具体的には、「問題を作り出せないが、人が与えた問題に対しては、人間以上に賢く解ける」というのが期待なのでしょう。

AIのユーザーとしてのデザイナーが、いかにAIに問題を与えるという役割に知恵を使うということなのでしょうか。 これからのデザイナーは 如何にスマートにAIを使いこなしていくのかが問われるでしょう。また同じように、未来学者曰く、大事なことは“今までできなかったコト”、“難しかったコト”をAIに説いていくことが人類のつぎの進歩となるでしょうと。

AIという技術価値・ツールに対して、いかに適切な質問、命令、分析、指示を与えることができるのか? 将来の不確かな現象・コトに関して、アドバイスが得られる、そういうAIを期待していいのではないでしょうか。

この何十年、デザインプロセスは変化を継続してきています。 今後の変化のなかに必ず影響があるであろうと思うのが  ‘ AI ‘ ということでしょう。 これからの工業(プロダクト)デザイナー環境はどうなるのでしょうか? そうしたテーマも今後、考えていければと想っています。デザイナー特有の能力である意匠性をAIに求めるのではなく、その最終提案に導く過程をAIに期待するという考え方もありそうです。

話は違いますが . . . .ゴルフの大会で、プロ・ゴルファーを助けるコーチ兼キャディーが常に寄り添っています。グリーン上で、芝目を読む選手の後ろからそっと何かを囁いているのをよく見かけます。コーチのこれまでの長年にわたる知見・経験が選手の助けとなっているようです。 このコーチの役割は、IT技術の発展によるAIなのかもしれません。ということであれば、AI は デザイナーを助ける ‘‘コーチ‘‘ 役 という捉えかたも出来そうです。

(画像:まるで武装しているかのようなAIの活用が当たり前になるのだろう)

       AI と ID   挑戦しがいのある命題かも。